人の魅力って、なんだろう?
2026.09.30
最近、ふと「人の魅力って、なんだろう」と考える出来事が続きました。
仕事でもプライベートでも、「またこの人に会いたい」「この人がいるから、ここに行きたい」「この人に紹介したい」と思うことがあります。
一方で、場所も商品もサービスも変わっていないのに、「なんとなく、もう行かなくてもいいかな」と感じることもある。
その違いは、もしかすると「人」なのかもしれません。
今回は、そんなことを考えさせられた3つの出来事がありました。
同じ店なのに、なぜか違う
数年前まで、家族でよく利用していたレストランがありました。
先日、そのお店が今月末で閉店するという知らせをSNSで知り、「最後にもう一度行ってみよう」と家族で予約をしました。
久しぶりに訪れてみると、料理は以前とほとんど変わりません。
おそらくレシピも大きくは変わっていないのでしょう。
ところが、何かが違う。
以前いた店長とシェフがいませんでした。
その店長は、とても人なつっこい方で、こちらの様子を見ながらいろいろと声を掛け、細かなところまで気を配ってくれる人でした。
そしてシェフも、帰るときにはわざわざキャッシャーまで挨拶に来てくれるような、温かい方でした。
料理も美味しかった。
でも、私たちがその店に通っていた理由は、料理だけではなかったのだと思います。
同じ場所。
同じ内装。
おそらく同じような料理。
それなのに、働いている人が変わるだけで、店の空気がまったく違って感じる。
「人って、こんなにもその場所の雰囲気をつくっているんだ」
そんなことを改めて感じました。
正直に言えば、今回初めて訪れていたら、これからも繰り返し通っていたかどうかは分かりません。

人の魅力が、会社の魅力になっている
もう一つ、逆の意味で「人の力」を感じた出来事がありました。
20年来の付き合いになる経営者の会社が、ある展示会にブースを出展されるということで案内をいただき、妻と一緒に日曜日に足を運びました。
仕事上、ものすごく深い取引関係があるわけではありません。
それでも20年という時間の中で、お互い経営者として、仕事のことや会社のこと、いろいろな相談をしてきた仲間です。
その社長は、とにかく物腰が柔らかい。
そして、知人や友人に「この人、一度会ってみて」と紹介したくなるような人です。
今回、展示会のブースに行ってみると、その社長の雰囲気が、そのまま会場全体に広がっているように感じました。
スタッフの皆さんも明るく、温かい。
ブースに立っている方々の表情や接し方から、その会社の空気が伝わってきます。
実は前回の展示会にも足を運びました。
そして今回も、案内をいただいたから行ったというだけではなく、「また来たい」と思って足を運んでいます。
そして、おそらく次回も案内をいただけば、私はまた行くでしょう。
なぜでしょうか。
商品だけではない。
ブースの大きさやデザインだけでもない。
そこにいる「人」に魅力を感じているからなのだと思います。
一人の経営者の人柄が、スタッフに伝わり、会社の雰囲気になり、展示会のブースという限られた空間からも、その会社らしさが伝わってくる。
これって、すごく面白いことだと思いませんか。
「人の魅力」が「法人の魅力」になっている。
そんなことを感じました。

人の「思い」は、人を動かす
そして、もう一つ。
最近、頻繁に取引のある仲の良い営業マンから、ある著名な方をご紹介いただく機会がありました。
3人で食事をしたのですが、話題の中心になったのは、その方たちが長年携わっている舞台のこと。
人生のこと。
平和のこと。
国境を越えること。
詳しい内容はここでは控えますが、その舞台に対する思いや、長年携わってきたからこそ持っている考えを聞かせていただきました。
話を聞いているうちに、その「思い」がこちらにも伝わってくるのを感じました。
そして、1か月ほど経ったある日。私は、その舞台の見本になった場所(九州)に足を運びました。
誰かに勧められたから、仕事だから、ということではありません。
「一度、実際に見てみたい」
「この人が長年携わってきた舞台に、少しでも触れてみたい」
そう思ったからです。
一人の人の話を聞いたことで、自分自身が動いた。
これもまた、「人の魅力」の一つなのかもしれません。
「属人的ではダメ」というけれど
ここまでの3つの出来事を振り返っていると、もう一つ考えさせられることがあります。
会社経営の話をしていると、「属人的な会社ではダメだ」という言葉をよく耳にします。
確かに、その通りだと思います。
ある特定の人しか分からない仕事があったり、その人がいなくなった途端に会社が回らなくなったりする状態は、企業としてはリスクがあります。
だからこそ、業務を仕組み化し、誰が担当しても一定の品質を保てるようにする。
情報を共有し、ノウハウを残し、特定の人に依存しない組織をつくる。
会社を永く続けていくためには、とても大切な考え方です。

ただ、今回の出来事を通して、私は少し違う角度から「属人的」という言葉を考えるようになりました。
会社の規模を大きくすることだけを目的とせず、一人ひとりが仕事にやりがいを感じながら成長していく。
そんな組織を考えたとき、
「その人がいなくなっても会社が回る」ことだけが、本当に理想なのだろうか。
そんな疑問も、少し湧いてきます。
例えば、魅力のある人が会社を去ったとしても、その人が大切にしていた考え方や、人との接し方、仕事に対する姿勢、生き方まで消えてしまう必要はない。
むしろ、
「あの人だったら、こうするだろう」
「あの人から教わったことを、自分も誰かに伝えていこう」
そんなふうに、その人の良さが次の人へ受け継がれていく。
それは、単なる「仕組み化」とは少し違うものかもしれません。
仕事の手順をマニュアルに残すことも大切。
でも、人としての魅力や考え方まで、次の世代へ受け継がれていく。
私は、こちらも会社を永く続けるためには、とても大切なことなのではないかと思います。
だから、「属人的だからダメ」というよりも、
魅力ある人が、脈々と存在し続ける会社。
そんな組織のほうが、私は面白いのではないかと思うのです。
もちろん、誰か一人に会社を依存するという意味ではありません。
一人の魅力を、その人だけのものにしない。
その人から学び、真似をして、自分なりの魅力に変えていく。
そして、その人を超えるくらいの新しい魅力を持った人が、また次に育っていく。
そうやって、人から人へ受け継がれていくものがある。
それもまた、「企業文化」と呼べるものなのかもしれません。

人の魅力が、会社の未来をつくる
3つの出来事、そして「属人的」という言葉について考えてみると、改めて「人」の存在の大きさを感じます。
飲食店では、人が変わることで店の空気が変わった。
会社では、経営者の人柄がスタッフに伝わり、会場の雰囲気になっていた。
そして一人の人の思いに触れたことで、自分自身が動かされた。
もちろん、会社には商品やサービス、価格、仕組み、設備など、いろいろなものが必要です。
でも、もし企業の成長に「成功法」のようなものがあるとしたら、その一つは、
「人の魅力=法人の魅力」
なのではないか。
魅力のあるスタッフが増えれば、自然とその会社に魅力を感じる人も増えていく。
「この人と仕事がしたい」
「この会社に相談してみよう」
「この会社を誰かに紹介したい」
そんな気持ちが、少しずつ積み重なっていく。
それは、リピーターを増やすことにも、新しいお客様とのご縁にもつながっていくでしょう。
そしていつか、その会社そのものの「ファン」が増えていく。
だからこそ、会社をつくるということは、単に売上や利益を追いかけることだけではないのだと思います。
個性豊かで、魅力のある人たちが集まり、その魅力が次の世代へ受け継がれていく組織をつくる。
これは、経営を続ける限り、ずっと追い続けるテーマなのかもしれません。
100年企業を目指すなら
OAナインも32期を迎えています。
これまで30年以上会社を続けてこられたのも、もちろん私一人の力ではありません。
社員、取引先、お客様、そしてこれまで出会ってきたたくさんの方々とのご縁があったからこそ、今があります。
そして、これから先、会社を永く続けていくために必要なのは、商品やサービスを時代に合わせて変えていくことだけではないと思っています。
「この人と一緒に仕事がしたい」
「この人に紹介したい」
「この会社と付き合っていきたい」
そう思っていただける人を、一人でも多く育てていくこと。
そして、そんな人たちがたくさんいる会社にしていくこと。
それが、100年企業を目指すうえで、とても大切なことなのではないかと思っています。
「人の魅力って、なんだろう。」
今回、そんな問いから始まった出来事を振り返ってみて、今の私なりに出した答えは、
人の魅力は、その人だけのものではない。
周りの人を動かし、場所の空気を変え、会社の魅力にまでつながっていく。
ということなのかもしれません。
そしてもう一つ。

その魅力が、次の人へ受け継がれていくこと。
それこそが、会社が永く続いていくための「人づくり」なのかもしれません。
私自身も、「また会いたい」と思ってもらえる人でありたい。
そして、そんな人たちがたくさんいる会社を、これからもつくっていきたいと思います。
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